2021/02/19 18:50



こんばんは。

#KENMAYA です。

皆様、一週間お疲れさまでした。
出口の見えない不透明感のある現状、金属の輝きで
少しでも皆様の気持ちが上向く動画をお届けしたいと、
思っています。

さて、今回はアウトドア、キャンピング用品で、
人気ブランドの"snow peak"さんのチタン製マグ
中古で入手致しましたので、

こちらを光沢リペアしていきたいと思います。


人気ブランド品ということもあり、
中古での販売価格もそれなりだったのですが、
研磨剤だけでどこまで綺麗になるかチャレンジです🔥


1.チタン(チタン合金)の特徴


チタン、及びチタン合金の特性は「軽い・強い・錆びにくい」。
という各種合金の中でも非常に優れた特徴があります。

水を1としたときの比重は、
鋼が7.9、銅が8.9という重さなのに対し、チタンは4.5。
また強度はアルミニウムの3倍、鉄の2倍とされています。
さらにプラチナ並の耐塩性を持ち、錆びにくく(耐腐食性)、
不燃性(耐火性)も持った優れた金属です。

主に航空宇宙産業、深海探査船、医療分野などで、
活躍している高級金属でもあります。

しかし、わたしたち研磨業界では、
表面硬度の高さから扱いにくい金属
として名前が挙がります。
要はなかなか磨けない金属なんです。


2.研磨対象のチタン製マグ


今回対象となるチタン合金のモース硬度は5~6と、
ガラスやステンレスに匹敵する表面硬度を誇ります。

今回のチタンマグは下部が火に炙られたことで、
酸化被膜(焼け)が形成されています。
酸化被膜自体は悪いものではありませんが、
一般的に酸洗いなどで除去されることが多いです。

ただ、掃除でもそうですが、
酸は安価で強力ですが環境負荷が高いものです。
また、チタンなど薄くて軽い金属は酸で厚みが変化してしまったり、
耐腐食性が弱化してしまったり、変色の原因にもなります
ので、
今回は研磨剤だけで綺麗にしていきたいと思います。


3.荒削り


"SLS-200"を使い、

スポンジのスコッチ部分で優しく研磨していきます。
ロゴなどの印刷部分は、
事前にマスキングしておくことをオススメします。


研磨剤が黒くなっていくのは磨けている証拠です。
"SLS-200"はあまり力を入れて擦りますと、
余計に傷が入ります
ので様子見しつつ、
丁寧に磨いていきましょう。

ある程度磨けたら、流水で流すかタオルで拭き取ります。

自分でも驚いたのですが、
"SLS-200"だけでほぼ酸化被膜が除去できました。


4.中磨き


"SLT-400"を用いて、

今回はリューターで研磨していきます。


"SLS-200"でできた研磨キズの除去
及び全体的に表面の凹凸を整えるように研磨します。

使用バフは柔らかい綿バフ、キャラコバフを用いています。
あまり回転数を上げると研磨剤が飛び散ってしまいますので、
低~中速で様子を見ながら丁寧にバフがけしましょう。

こちらも一通り作業を終えたら、
流水で流すか、タオルなどで拭き取りましょう。

この時点で結構ツヤは出ていると思います。


5.仕上げ

恒例の仕上げ磨きですが、

今回も"SLV-10000"でタオル磨きを行いました。


しかし、粒子が細かすぎるためか、
タオル磨きではあまり見違えるような光沢とはなりませんでした。

ですので、今回動画初登場となる、

固形研磨剤「P-10000」を使ってみました。



こちらは少々お値段も張るのですが、
さすがに高級貴金属用なだけあって、
リューターで直接研磨剤を少量撫で付け、
軽く表面を撫でるようにバフがけするだけで、
見違えるような光沢が出てきました。

固形研磨剤はリューターに慣れるととても扱いやすく、
液状よりもリューターとの親和性が高いのでオススメです。


6.最後に


アウトドア用品やキャンプ用品は、
雨風に晒されたりすることも多いため、
よく錆付きや変色を起こしてしまいがちです。

それをそのままにして、
玄人感を出すのもクールでカッコいいですが、
新品同様にリペアするのも面白いと思いますよ。

皆さんも研磨の世界、ぜひお楽しみください。


ここまで読んで頂き、ありがとうございました。

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